読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「好き」の源泉かけ流し♨

硝子の少年も WAになっておどって おみくじHAPPYになれば ええじゃないか!

『MORSE』 雑感

 

終演した瞬間、「これだからジャニオタ辞められないな~!」と、思わず笑みが零れました。
自分の予想を軽々と越えたものを提示してくる、自分と同世代の人。
その無限に広がる可能性を、この目で、耳で、肌で、火傷しそうなくらいの熱量で体感できる喜びを、ひしひしと感じています。

 

 

ネタバレも多少含むので、ご注意ください。たたみます。

 

 

 

原作小説を途中まで読み*1、そして映画を観て予習していった舞台『MORSE』。
正直、この話を小瀧さん主演で行うことを心配していました。

 

 

原作から受け取った「オスカー」像が、私の抱いている「小瀧望」像とは真逆すぎて、小瀧さんがオスカーとして見えるかどうか、心配していたのです。

 

いじめられっ子で、孤独で、内に閉じこもっているオスカー。
ジャニーズWESTの愛され末っ子で、甘え上手で、感情に素直な小瀧望くん。

 

真逆だからこそ、どうやって魅せてくるのか楽しみでもありましたが、自分が「小瀧望」像に引っ張られそうで、心配でした。

でも、そんな気持ちは、板の上に出てきた「オスカー」を観た瞬間に吹き飛ばされました。

声のトーンも、喋り方も、普段とは全然違う。
見た目は小瀧望だけど、そこにはいじめられっこの孤独な少年、オスカーがいました。

 

 

 

・キャストについて。
観劇してから時間が経ってしまったので、細部はよく覚えていませんが…小瀧さんの目の演技にグッと引き込まれたのを覚えています。
オスカーもエリも、言っていることと、思っていることが真逆、というシーンがよくあり、行動と相反する本音を表しているのが、目の演技でした。
いじめられているときの、前髪に隠れている目。真っ暗でなにも映していなくて、早く時間が過ぎることを祈ってただただ耐えている目。
この目が1番印象に残っています。
あとは忘れてしまった…()

 

エリ役の方の、しなやかな身のこなし…あれはバレエとか、コンテンポラリーダンスが基本になっているのかな…?溜息がでるほど優雅な身体の使いかたでした。
とにかく美しくて、軽い身のこなしで…繊細で儚げなエリと、彼女の孕んだ「常人に非ざる感じ」がよく表れていました。
その優美さと、狩りのモードに入った時の、荒ぶりとの対比が凄まじくて…!本当に同じ人物が演じているの?と思うぐらいでした。
狩りモードのエリの気迫、文字通り“獲物を狩っている”時の動物的で鬼気迫る声、粗野な振る舞い。
優美さと暴力性が互いを引き立たせていて、エリの2面性をよく表していたと感じました。

 

余談ですが、小瀧さんとエリ役の方が一緒にダンスをするシーンがあって、そこで小瀧さんがリフトをするんですが、背の高い彼が女性をリフトすると、まぁ様になること!
リフトできるジャニーズって、パッと思いつくところだとふぉ~ゆ~しかいないので、小瀧さんはそっち方面でもイケそうな気がする、と瞬間的に思いました。

 


・本編について。
この舞台は、予習なしでは理解の難しい作品だと思います。ただし原作・映画よりは、わかりやすい構成に変わっていたように思います。
今後観劇する方は、せめて映画だけでも観ていくと、よりわかりやすくなるのではないかと…。


小説も、映画も、シーン転換が多くて、それが原因で読みにくさ・わかりにくさを感じている部分がありました。舞台ではどうするのかな、と思っていたら、シーンごとに特徴的な大道具(ジャングルジム→中庭、ロッカー→学校、ベッド→オスカーの部屋 など)を出し入れすることで、すばやい場面転換を行っていました。
象徴的なアイテムが登場することで、「今の状況設定はどこだ」という部分が明確になっていた気がします。
全体的に舞台の上は必要最小限のセットで、演者の演技力と、観客の想像力で補って、場を作っていました。

 

登場人物が大幅に減っていたのも、理解しやすくなった要因の1つだと思います。
その結果、一部原作と異なる(被害者が変わっている など)ストーリーになっていましたが、全体としては整合性も取れてのではないかと。
大胆に、かつ敬意を持って原作を削って脚本を作ってあると感じました。
気になったのはオスカー母の設定…原作や映画でアル中設定ってありましたっけ…?
単に、オスカーを溺愛して、息子に依存しているお母さん、という印象だったんですが…私の読み取りが甘かったのかな?
さらにオスカー父の設定。原作や映画では、匂わせ程度に感じていた同性愛者という設定が、明確に感じられる演出になっていました。

 

 

演出の方が、どこの設定を略して、どこを強調して舞台を作り上げていくのか、という点は、原作があるものではいつも興味深く観てしまいます。
予習ができる原作物だからこその楽しみ方です。

 

そして「血」の表現。
舞台誌で、演出の方が「舞台ならではの“血”の表現をしたい」と仰っていたので、楽しみにしていました。舞台だと映画のようにわかりやすく血だらけになるわけにもいかないし…と思っていたら、意外と血だらけになってましたねw 特にエリw
場面転換の時に、板の上に垂れた血を拭き取る役割の方がいて、場面のシリアスさにそぐわなくて、ちょっと笑ってしまいました。

 

1番印象に残ったのは、やはりラストシーン…。
まさかあんな形で、惨殺を表現してくるとは…!心底肝が冷えました。
映画でもかなり衝撃的でしたが…間接的な表現だった舞台の方がよっぽど怖かったです。何が起こるかわかっていたのに怖かったなんて…。
これから観る方はお楽しみに。笑

 

 

 


カーテンコールのご挨拶の声で、ようやくそこにいるのが「小瀧望」であることを認識しました。それほどまでに、本編では「オスカー」でしかなかったです。

2回目の登場では、自然にスタンディングオベーションしていました。小瀧さんが出てきた瞬間に、立ちあがってました(笑)
小瀧さん、すごかったよ。ただそれだけを伝えたくて。
とても嬉しそうにお辞儀をする座長に、精一杯拍手をしました。

 

そして、その熱量を直接届けるべく、アンケートを記入。
汚い字だったけれど、あの感動が、主催者側へ伝われば、そして、小瀧さんの耳にも届けばいいなぁと思っています。

 

 


予習していったおかげで、ストーリーに躓くことなく、集中して観劇することができました。
この『MORSE』という舞台は、決して、わかりやすいお話ではないし、明るい気持ちになる舞台でもありません。
あれはどういうこと?どうしてこんなラストなの?と、疑問に思う点もあります。
それを含めて、舞台らしい舞台だったと、私は思いました。
2時間半で投げかけられた問い、板の上から受け取ったざらついた感情、釈然としないラスト、言い換えれば想像の余地を残された、余韻のあるラスト。
たくさんたくさん「自分で考えること」を要求されています。
身近で接している「お芝居」である、ドラマや映画は、比較的わかりやすく、端的に状況や心情、主題が伝わってくるものが多いです。
ところが舞台では、「自分で考えてごらん」と、演出家、そしてキャストから投げかけられるに留まることも、少なくありません。
その問題提起を、受け止めて、自分で反芻して考えていく。それが、ストレートプレイの醍醐味の1つであると、私は感じています。


舞台というものを観始めたばかりの頃は、投げかけられた問いを、「投げっぱなしなんて無責任だなあ、ちゃんと最後まで責任もってケリをつけてよ」、と思っていたのですが、この3年、遠征しまくって観劇経験値を少しばかりあげた甲斐あって、「投げかけられた問いについて自分で考える」という行為を楽しめるようになってきました。
観劇してから日が経った今、またこうしてあの時間を反芻して味わうことができるのも、舞台ならではだと思います。

 

観劇遠征の多さに、周りから薄笑いされることもありましたが、「眼」を肥やして、こうして舞台を味わえるようになったのは、私にとってなによりの収穫で、なにより喜ばしいことです。

 

 

 

『MORSE』は、味わい甲斐のある舞台でした。
主演の小瀧さんをはじめ、キャストの皆様には、素晴らしい時間を与えていただきました。
この舞台を19歳で座長として務め上げた小瀧さんのポテンシャルに脱帽、そして今後の羽ばたきに期待しかありません。
千穐楽まで、怪我なく完走できますように。

 

 

 

余談。
昨年、一昨年と、V6メンバーの舞台を多く観ていたせいか、ようやく私も観劇に慣れてきた気がします。
V6が出ている舞台だと、皆さん観劇慣れしているんだろうな…という客席の空気の中で、まだまだ新参者として観ているのですが、今回のMORSEの舞台は、初めての観劇で…みたいな空気を出している人が多くて、なんだか新鮮な気分でした。

 

カーテンコールで立つことは必ずしも“作法”ではないけれど、スタオべは少なかった印象です。単に知らない人も多かったのかも…?
私は偶然最後列だったので、誰も気にせず自分の思うままにスタオべできましたが…やはり後ろに人がいて、周りが立っていないと、やりにくいですよね。
光一さんは、そこが日本人の悪いところだ、と連載*2で仰っていますけどもw

 

あと、アンケートの存在を知っている人も少なかったように思います。終演後書いている人が、数えるほどしかいなかった…。
グローブ座公演では、幕間にロビーにアンケート用紙が設置されて、感想や要望など、直接書いて伝えることができます。
終演後にはアンケート回収BOXが設置されるので、思いの丈をぶつけた用紙を投函してみては?
あのアンケートがどれだけ演者側に伝わるものなのかはわかりませんが、もしかしたら何か届くかもしれません。
私はそう思っていつも、まとまらない文章でも、思ったことをそのまま用紙にぶつけて投函しています。

 

 

 

 

おまけ。というか、メモ。
11月18日(水)昼公演 アドリブと思われる箇所。


・ジャングルジム上のエリにルービックキューブを渡そうとして、落っことしてしまう。 

('・ェ・')「あ!落としちゃった!ちゃんと持ってなきゃ~」

と咄嗟にセリフを接いで、何事もなかったかのように拾い、エリに渡して続ける。

 

 

・ラストの汽車?に乗って、切符のチェックを受けるところで、ポケットに入っているはずの切符がなくなっている。
(直前のシーン転換で、ポケットからニット帽を取り出した時に、ひらひらと落ちてしまったのに気付かないまま進めてしまった。)
('・ェ・')「あ、(切符)なくしちゃったみたいです…。」 

駅員役の人がそれ以上触れずに、続ける。
ちょっと焦ってポケットをまさぐっていたのが可愛かった。
落とした切符は、カーテンコール後はける時に、多分お母さん役の方がさりげなく拾っていきました。

 

 

最後の最後、2回目のカーテンコールに1人ででてきて、満面の笑みでお手振りご挨拶をした後、上手袖に向かいながら、終盤シーンの“腕”を1本拾って掲げ、
客席に悲鳴とどよめきと大笑いを残していったところに、小瀧さんの末っ子っぷりを感じました。笑

 

 

1つだけ懺悔。
ミラコーが起きたことにより、特に1幕で舞台に集中できなくてごめんね、座長さん。
あんな経験もう2度とないと思うし、心臓に悪いからもう遭遇したくない…(笑)

 

*1:小瀧さんビジュアルのオスカーで脳内再生して読んでいましたが、ハードすぎてギブアップしましたw

*2:日経エンタ「エンターテイナーの条件」2015年12月号